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内視鏡検査コラム

  • 執筆者の写真OOISHI

胃内視鏡検査(胃カメラ)にかかる費用はどのくらい?


内視鏡検査は、食道や胃などで発生するさまざまな病気の早期発見に役立つといわれています。そこで今回は、内視鏡検査の費用や保険適用の有無、自由診療などについてご説明します。


 

胃カメラ・大腸カメラには保険診療と自由診療がある


日本では国民皆保険制度によって、国民が公的医療保険に加入するとされています。国民皆保険制度は、怪我や病気の際に自分が加入している医療保険を利用し、診療や薬の処方、手術などを受けることができます。医療保険を利用して必要な診療や治療を受けることを「療養の給付」といい、健康保険法によって以下のものが該当するとされています。


  • 診療

  • 薬剤、または治療材料の支給

  • 処置、手術やそのほかの治療

  • 在宅療養の際の管理や療養に伴う看護や世話

  • 医療機関への入院および診療に伴う看護や世話


医療機関を受診する場合、検査や治療内容によって保険適用かどうかが異なり、支払う金額の自己負担額も異なってきます。保険診療と自由診療とは、主に次のようなものを指します。


保険診療

保険診療とは、医療機関を受診する際に公的な健康保険証を持参することによって、公的な医療制度の対象となる診療のことをいいます。病気に対する診療報酬が事前に定められているため、日本国内の地域や医療機関にかかわらず、支払う金額が変わらないことが特徴です。年齢によって支払う負担割合は異なりますが、基本的に7歳~70歳未満の人の医療費の3割が自己負担となり、残りの7割はそれぞれの保険組合が加入者から支払われた保険料によって支払われています。また、一ヵ月のうちに支払った金額が高額の場合は高額療養費制度が利用できるため、医療費がかかり過ぎた場合でも3割の自己負担で治療を受けることが可能です。


自由診療

自由診療とは、公的な医療保険の対象外となる診療のことをいい、前述の「療養の給付」以外のものを指します。胃カメラ・大腸カメラだと「健康診断を目的とした検査」が自由診療にあたります。自由診療は自分に合った治療を受けるための選択肢が広がる一方、医療機関によって自由に金額を決められるうえ、全額自己負担となるため、高額になる傾向があると考えられています。また保険診療で扱っている高額療養費制度など独自の制度はないため、経済的負担になりやすいとされています。自由診療に該当するものとして、主に以下のようなものが考えられます。


  • 美容整形

  • 男性型脱毛症(AGA)

  • 歯列矯正

  • インプラント

  • 妊婦検診

  • レーシック手術

  • 人間ドック

  • 抗がん剤治療


 

胃カメラ・大腸カメラの費用と診療報酬


診療報酬とは

診療報酬とは、「療養の給付」に基づき、保険診療によって支払っている料金のことをいいます。 1点あたり10円とされ、怪我や病気の治療の点数が事前に決められています。診療報酬は、経済状況や医療の発展などによって、通常は2年に1度改定され、さまざまな審議などを経て最終的に決められます。また、支払った医療機関の医薬品費や設備・機材費、人件費などに使われています。


胃カメラ・大腸カメラの費用

内視鏡検査の場合、診療報酬が1,140点と決められています。診療報酬1点につき10円のため、 1,140×10=11,400円が総額です。内視鏡検査は保険診療のため、3割負担となり、どの医療機関でも3,000円~4,000円程度はかかるとされています。


なお、大腸内視鏡検査の場合は診療報酬が1,550点のため、11,500円のうちの3割の費用である4,000円~5,000円程度はかかるとされています。その他、初診料や処方箋料、治療が必要となった場合は治療にかかった費用が別途かかります。詳しい料金は医療機関によって異なるため、お問い合わせください。


 

胃カメラ・大腸カメラでかかるその他の費用


内視鏡検査でかかるその他の費用として、主に以下のようなものが考えられます。

ピロリ菌検査

ピロリ菌の正式名は、ヘリコバクター・ピロリといい、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの原因になると考えられています。ピロリ菌検査は内視鏡検査の際に行うことも可能で、内視鏡検査によって胃炎や胃潰瘍などが見つかった場合に保険診療が適用され、ピロリ菌感染が陽性の場合に行う除菌治療も保険が適用されます。病気がない場合など保険が適用されない場合は自由診療となり、5,000円~10,000円程度かかると考えられます。


病理検査

内視鏡検査をする際、場合によっては生検や細胞診を行うことがあります。生検では、病気の可能性がある病変部の一部を切り取り、腫瘍などを詳細に調べて診断を行います。切り取る部分は数ミリ程度のため、苦痛を伴うものではないとされています。一方の細胞診は、組織の細胞を バラバラの状態で観察する方法です。通常は、病変部に観察する器具をこすって細胞を採取します。ただし細胞診だけで病気を診断することは難しいとされ、精密検査が必要になることもあります。保険適用かどうかは医療機関によって異なりますが、3割負担の場合は、5,000~12,000円程度になると考えられます。なお、初診料や診察料、投薬料などは別途費用がかかります。


 

胃カメラ・大腸カメラの範囲と時期


内視鏡検査では、咽頭や喉頭、食道や胃、気管支、十二指腸の一部を観察することが可能とされています。詳細に組織を観察することができるCCDカメラという器具が、スコープの先端についた電子スコープが主流とされています。


内視鏡検査によって、胃炎や胃がんなどのスクリーニング検査などを行うことが可能とされています。内視鏡検査は40歳を過ぎたら一度受けた方がよいとされ、ピロリ菌感染がある場合には2~3年に1回を目安に検査をした方がよいとされています。


内視鏡検査は、保険診療が適応される 内視鏡検査は保険が適用されるため、基本的に70歳未満の方の場合は3割負担で診ることが可能です。内視鏡検査は胃炎や胃潰瘍などの病気の早期発見につながるため、40歳を過ぎたら一 度は受けるようにしましょう。


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