胃下垂(いかすい)とは?症状から治療法まで徹底解説
- SUMIKA
- 2024年12月1日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年12月6日
胃下垂とは
胃下垂とは、胃が通常あるべき位置よりも下がってしまう状態を指します。この症状は、特に痩せ型の人や筋力が弱い人に見られることが多いです。胃下垂は病気とされるわけではありませんが、胃の動きが低下し、消化に関する不快な症状を引き起こすことがあります。

胃下垂の原因
主な原因としては、腹筋の弱さ、姿勢の悪さ、急激な体重減少、または遺伝的な要因が挙げられます。また、胃自体の筋肉が弱まることで、さらに症状が進む場合があります。
体質や先天的要因
胃下垂は体質的な要因で起こる場合が多く、特に痩せ型の人や虚弱体質の人に多く見られます。腹部脂肪が少なく、筋力が弱いと胃を支える力が不足し、胃が下垂しやすくなります。
腹筋の衰え
腹部の筋肉、特に腹直筋が弱まると、胃を支える腹圧が低下します。これにより、胃が重力に引っ張られる形で下がることがあります。加齢や運動不足も関連しています。
暴飲暴食や不規則な生活習慣
暴飲暴食や不規則な食事習慣が続くと、胃が過剰に膨らみやすくなり、支える筋肉や組織が負担を受けて緩むことがあります。ストレスや疲労も胃機能の低下を引き起こす原因となります。
出産や急激な体重変化
出産後に腹筋が弱まり、腹部の筋肉や組織が緩むことで胃下垂が起こることがあります。また、急激な体重減少により腹部脂肪が減少すると、胃の支えが失われて下垂しやすくなります。
その他の要因
胃下垂はまれに、病気や外科手術後の影響で起こることもあります。胃の筋肉自体の機能低下や内臓の位置異常が関連している場合があります。
胃下垂は体質的な要因が大きいものの、生活習慣の見直しや腹筋の強化で改善できる場合も多いため、早めの対策が重要です。
胃下垂の症状
胃下垂の症状には、以下のようなものが挙げられます。
胃部膨満感
食後に胃が重く張ったように感じることがよくあります。
上腹部の痛みや重圧感
胃に食べ物が溜まりやすくなることで、胃酸の影響や過剰な消化活動による不快感が生じます。
食欲不振・満腹感
少量の食事でも満腹を感じやすくなり、食欲が低下することがあります。
吐き気やむかつき
胃内容物が排出されにくくなるため、胃がむかむかしたり吐き気が現れる場合があります。
便秘や全身の倦怠感
消化の遅れが腸の動きにも影響を及ぼし、便秘や体のだるさを感じることもあります。
胃下垂の検査
診察と問診
まずは、医師による診察と問診が行われます。これにより、基本的な症状の特定と、必要な検査の指針を決定します。
バリウム検査
胃の状態を詳しく調べるため、バリウムを使用したX線検査が行われることがあります。胃の出口に近い「胃角部」が骨盤腔内に下がっている場合、胃下垂と診断されます。この検査では、胃の位置や形状、動きの確認が行われます。
胃カメラ検査
必要に応じて、胃カメラによる内視鏡検査が行われる場合があります。この検査では、胃の内部を直接観察し、他の病気の有無も確認することができます。
胃下垂の治療
食事の調整
胃への負担を軽減するために、食事内容を見直すことが推奨されます。栄養価の高いものを少量ずつ摂取することで症状の緩和が期待されます。一度に大量の食事を摂ると、胃に大きな負担がかかるため避けるべきです。
生活習慣の改善
ストレスを軽減し、適度な運動を取り入れることで、胃の運動機能を高めることが可能です。腹筋を鍛える運動は、胃を正しい位置に戻す助けになるとされています。
症状の軽減のための治療
症状が続く場合や胃アトニー(胃の運動が低下した状態)が併発している場合は、消化を助ける薬の処方が行われることがあります。ただし、薬物療法は一時的な対策とされ、生活習慣の改善が根本的な対策となります。
手術療法
非常に稀ですが、重度の場合には手術が検討されることもあります。しかし、多くの場合、体質改善で十分です
胃下垂は見た目に特徴があるの?
胃下垂がある方は、外見的に下腹部がぽっこりと出ているように見えることがあります。ただし、必ずしも全員にこの特徴が見られるわけではありません。
胃下垂になるとおならが増える?
胃下垂になると、消化機能が低下することにより、ガスが溜まりやすくなり、おならの回数が増えることがあります。
胃下垂が疑われる症状がある場合、早めに専門医を受診し、必要な検査を受けることが推奨されます。専門家のアドバイスのもとで対策を講じることで、症状の改善や生活の質の向上が期待できます。